価格改定

AmazonのFBAと自己発送の価格差の決め方|費用の差から上乗せ幅を出す手順

AmazonでFBAと自己発送の価格差を決めるときは、1件あたりの費用の差を出し、販売手数料を見込んで上乗せ幅を逆算するのが出発点です。そのうえで、同じ商品の競合の出品と自分の売れ行きを見て、上乗せ幅を広げるか縮めるかを決めます。FBAと自己発送の価格差とは、同じ商品・同じコンディションを、FBAで出した場合と自己発送で出した場合の、購入者が払う合計金額の差のことです。

この記事のAmazonの料金と仕組みの説明は、2026年11月2日に確認した内容です。

FBAと自己発送で何が違うか

FBA(フルフィルメント by Amazon)とは、商品をAmazonの倉庫に預け、注文後の梱包・配送などをAmazonに任せる仕組みです。自己発送とは、注文が入った商品を出品者が自分で梱包して発送する方法です。価格差を考える前に、両者の違いを公式ページの説明で整理します。

比べる点FBA自己発送
梱包・配送Amazonが行う出品者が行う
カスタマーサービス・返品Amazonが代行する出品者が対応する
配送の費用配送代行手数料(サイズと重量で決まる)実際の送料と梱包資材
送料の設定出品者は設定しない大口出品は独自に設定できる

出典: フルフィルメント by Amazon(FBA)、Amazon出品サービスの料金(いずれも2026年11月2日確認)

料金ページでは、FBAの配送代行手数料は「注文商品のピッキング・梱包・配送・カスタマーサービス・返品の料金を含みます」と説明されています。つまり、FBAの手数料には、自己発送なら自分が負う作業の分も入っています。価格差を考えるときは、送料の差だけでなく、この作業の違いも頭に置いておきます。

また、公式ページのよくある質問では、FBAを利用すると商品はプライムの対象になると説明されています。購入者から見た違いがあるため、FBAの出品に上乗せをしても選ばれる余地があります。

費用の差から価格差を出す手順

価格差の下限は、自分の費用から決まります。次の順で出します。

  1. FBAの1件あたりの費用を出す: 配送代行手数料に、在庫保管手数料などを1件あたりにならした額を足します。
  2. 自己発送の1件あたりの費用を出す: 送料と梱包資材を足します。購入者から送料を受け取る設定なら、受け取る送料を差し引きます。
  3. 費用の差を出す: FBAの費用から自己発送の費用を引きます。
  4. 販売手数料を見込む: 上乗せした分にも販売手数料がかかるため、費用の差を「1−販売手数料率」で割ります。
  5. 上乗せ幅を決める: 4の金額を、FBAの価格を自己発送より高くする最低の幅とします。

計算例。FBAの1件あたり費用は配送代行手数料318円と保管手数料など40円で358円、自己発送は送料200円と梱包資材30円で230円。差は128円で、販売手数料10%を見込むと必要な価格差は約142円になる

出典: 配送代行手数料318円はAmazon出品サービスの料金の小型・標準サイズの表のうち、35×30×3.3cm以下・1kg以下、価格1,000円超の商品の金額です(2026年11月2日確認)。保管手数料など、送料、梱包資材、販売手数料率10%は説明のための仮の数字です。

この計算例では、FBAの出品を自己発送より約142円高くすると、どちらで売れても1件あたりの利益がほぼそろいます。配送代行手数料は、商品のサイズと重量、販売価格が1,000円を超えるかどうかで変わります。在庫保管手数料も、商品の大きさと保管日数、時期によって変わります。実際の計算には、自分の商品のサイズと最新の料金を使ってください。

販売手数料は、料金ページで、商品の価格・配送料・ギフト包装料を含む、購入者が支払った売上の合計にかかると説明されています。自己発送で送料を受け取る設定にした場合も、その送料に販売手数料がかかる点に注意します。

競合の出品と売れ行きで調整する

費用から出した上乗せ幅は、あくまで自分の利益をそろえるための最低線です。実際に付ける価格差は、同じ商品の出品の状況を見て決めます。

出品の状況考え方の例
FBAの出品者が多いFBAどうしで価格を比べられる。自分のFBAの価格は、他のFBAの出品と比べて決める
自己発送の出品者だけ自分のFBAの出品は、配送やカスタマーサービスをAmazonが行う点で他と違う。上乗せ幅を広げて売れ行きを見る余地がある
FBAも自己発送も多い両方の価格帯を見て、費用から出した上乗せ幅を下回らない範囲で調整する

比べるときは、商品代金と送料を足した合計でそろえます。自己発送の出品は商品代金が安く見えても、送料を加えるとFBAの出品と大きく変わらないことがあります。反対に、FBAと自己発送の価格を同じにそろえる理由もありません。費用が違う以上、同じ価格なら利益も違います。

調整した後は、FBAと自己発送のそれぞれで、売れた件数と価格を記録します。上乗せしたFBAの出品が売れ続けるなら、幅を少し広げる余地があります。売れなくなったら、上乗せ幅を費用から出した最低線まで戻します。最低線を下回ってまで合わせるより、自己発送の出品を中心に売る方が利益が残る場合もあります。

価格改定の手順全体や、下限価格の逆算の仕方は、Amazon価格改定のやり方|手順・下限価格・頻度・自動化の選び方で解説しています。発送方法ごとの価格差も、商品ごとの下限価格と合わせて決めておくと、競合に合わせて価格を動かすときにぶれません。

発送方法ごとの価格差を自動で保ちたいとき

出品数が増えると、FBAと自己発送の価格差を商品ごとに手で保つのは手間がかかります。Sellira(セリラ)は、Amazon価格調整ツールとして開発中で、現在は先行登録を受け付けている段階です。FBAと自己発送の組み合わせごとに、円または割合で価格差を設定できるようにする予定です。商品別の下限・上限に加えて、FBA・自己発送別の共通の下限も設定できるようにする予定です。いずれも開発中の機能で、提供開始の時期は決まっていません。

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