クリックポストが2026年10月1日から240円へ値上げ|Amazonセラーへの影響試算と9月30日までにやること
日本郵便は2026年7月3日、クリックポストの運賃を185円から240円へ改定すると発表しました。適用は2026年10月1日からです。
この記事では、値上げがAmazonセラーの発送コストにいくら影響するかを件数別に試算し、あわせて「厚さ制限の撤廃」に潜む見落としやすい落とし穴と、9月30日までにやることを整理します。
本記事は日本郵便の公式発表(ゆうパックおよびゆうパケットの基本運賃などの改定・2026年7月3日)をもとにしています。正式・最新の内容は必ず公式ページでご確認ください。
3行でわかる改定の要点
- いつから: 2026年10月1日(〜9月30日は現行のまま)
- いくら: クリックポストは185円→240円(1件あたり55円の値上げ)
- 条件も変わる: サイズは「3辺合計60cm以内・長辺34cm以内でポストに投函できるもの」、重量は2kgに緩和、差し出しはポスト投函のみ(窓口廃止)
あわせてゆうパケットも、現行の厚さ別(1cm以内250円/2cm以内310円/3cm以内360円)から、厚さに関わらず一律360円へ変わります。レターパック(ライト430円/プラス600円)と定形外郵便は今回の改定対象外です。
改定内容そのものの詳細はクリックポスト完全ガイド、他の発送方法との比較は送料・サイズ早見表にまとめています。ここからは影響と対策に絞ります。
コスト影響の試算:月にいくら増えるか
1件あたり55円の増加が、月間の発送件数によっていくらになるかを試算しました。
| 月間発送件数 | 現行(185円) | 改定後(240円) | 増加額/月 | 増加額/年 |
|---|---|---|---|---|
| 50件 | 9,250円 | 12,000円 | +2,750円 | +33,000円 |
| 100件 | 18,500円 | 24,000円 | +5,500円 | +66,000円 |
| 200件 | 37,000円 | 48,000円 | +11,000円 | +132,000円 |
| 300件 | 55,500円 | 72,000円 | +16,500円 | +198,000円 |
※発送件数を仮定した試算です。全件をクリックポストで発送した場合の単純計算で、実際の内訳により変動します。
月100件のセラーで年間66,000円の増加。薄利の商品を扱っているほど、この55円は利益率に効いてきます。
【要注意】「厚さ制限撤廃」は単純な緩和ではありません
今回の改定で「厚さ3cmの制限が撤廃される」と報じられています。これ自体は事実ですが、「厚い荷物が自由に送れるようになる」わけではありません。ここが最も見落とされやすいポイントです。
改定後の条件をもう一度正確に見てみます。
3辺合計が60cm、長辺34cm かつ 郵便差出箱に投函可能なもの
つまり、厚さの数値制限が消える代わりに、3辺合計60cmという新しい枠と、ポストに投函できることという条件が入ります。
現行の上限サイズは、改定後に「アウト」になる
現行の上限は「長辺34cm・短辺25cm・厚さ3cm」です。この3辺を合計すると——
34cm + 25cm + 3cm = 62cm
改定後の枠(60cm以内)を超えてしまいます。 つまり、A4サイズいっぱいの底面で厚さ3cmを使い切っていた荷物は、改定後はクリックポストで送れなくなる可能性があります。
厚さと底面積はトレードオフ
長辺を34cmとした場合、3辺合計60cmの枠内で使える厚さは次のようになります。
| 底面(長辺34cm × 短辺) | 3辺合計60cm枠で使える厚さ |
|---|---|
| 34cm × 25cm(現行の上限) | 1cm |
| 34cm × 23cm | 3cm |
| 34cm × 20cm | 6cm |
| 34cm × 15cm | 11cm |
底面が大きいほど、厚さはほとんど使えません。 厚さ制限の撤廃で恩恵を受けられるのは、底面が小さめの荷物だけです。
さらに「ポストに投函できること」が条件
上の表で「厚さ11cmまでいける」と読めても、実際には郵便差出箱に投函できなければ送れません。差入口のサイズはポストによって異なるため、実際に送れる厚さは投函するポスト次第です。
しかも改定後は郵便局窓口での差し出しが廃止され、ポスト投函のみになります。「窓口に持ち込めばいい」という逃げ道がなくなるため、厚みのある荷物ほど、事前に投函口を確認しておく必要があります。
得するケース・損するケース
上記を踏まえると、影響はセラーの荷物によって3つに分かれます。
損するケース:底面が大きく厚い荷物(+415円/件)
底面34cm×24cm・厚さ3cmの荷物(3辺合計61cm)は、現行ならクリックポスト185円で送れますが、改定後は3辺合計60cmを超えるため送れません。追跡が必要ならレターパックプラス(600円)などへの切り替えが必要になり、1件あたり415円の増加です。
得するケース:底面が小さく厚い荷物(−360円/件)
底面25cm×20cm・厚さ4cmの荷物(3辺合計49cm・2kg以内)は、現行では厚さ3cmを超えるためクリックポストもゆうパケットも使えず、追跡が必要ならレターパックプラス600円でした。改定後はクリックポスト240円で送れる(ポストに投函できる場合)ため、1件あたり360円の削減になります。
値上げにもかかわらず、こうした荷物が多いセラーは総額が下がる可能性があります。
大半のケース:薄い荷物(+55円/件)
厚さ数cm以内の衣類・小物・アクセサリー・薄手の書籍などは、これまでどおりクリックポストで送れて、素直に55円の値上げです。
ゆうパケットとの価格差はどう変わるか
クリックポストの代替として使われるゆうパケットとの差も変わります。
| クリックポスト | ゆうパケット | 差額 | |
|---|---|---|---|
| 現行(厚さ1cm以内) | 185円 | 250円 | 65円 |
| 現行(厚さ2cm以内) | 185円 | 310円 | 125円 |
| 現行(厚さ3cm以内) | 185円 | 360円 | 175円 |
| 改定後(厚さ問わず) | 240円 | 360円 | 120円 |
ゆうパケットが厚さ別を廃止して一律360円になるため、改定後の差は120円で固定されます。薄い荷物ではこれまでより差が広がり(65円→120円)、クリックポストの優位はむしろ強まります。改定後もクリックポストが最安である点は変わりません。
9月30日までにやることチェックリスト
- 主力商品の3辺合計を実測する — 34cm+25cm+3cmのような「底面が大きく厚い」荷物は改定後にアウト。該当する場合は梱包の見直しか、代替の発送方法を決めておく
- 厚さ3cm超で送っていた荷物を洗い出す — 底面が小さければ、10月以降はクリックポスト240円に移せて安くなる可能性がある
- 送料設定・商品価格を見直す — 送料込み価格で出品している場合、55円の増加を織り込む
- 窓口差し出しをやめる準備をする — 10月1日以降はポスト投函のみ。窓口へ持ち込んでいた場合は運用を変える
- 投函するポストの差入口を確認する — 厚みのある荷物を送る予定なら、入るかどうかを事前に確かめておく
なお、Amazonの注文をクリックポストへまとめて申し込む作業は、クリックポスト一括自動登録支払い for Amazonの拡張機能で効率化できます。値上げ分のコストは、発送にかかる手間を減らすことでも取り返せます。
よくある質問
クリックポストは2026年10月1日からいくらになりますか?
全国一律240円(税込)になります。現行の185円から55円の値上げです。日本郵便が2026年7月3日に発表し、2026年10月1日から適用されます。
厚さ制限が撤廃されると、厚い荷物は自由に送れるようになりますか?
いいえ。厚さ3cmという数値の制限はなくなりますが、代わりに「3辺合計60cm以内・長辺34cm以内で、郵便差出箱に投函できるもの」が条件になります。3辺合計60cmの枠内で厚さと底面積のトレードオフになるため、底面が大きい荷物では厚さをほとんど使えません。加えて実際に送れる厚さは、投函するポストの差入口のサイズに左右されます。
値上げでも得になるケースはありますか?
あります。厚さ3cmを少し超えるために、これまでレターパックプラス(600円)などを使っていた荷物が、改定後はクリックポスト240円で送れる場合があります。この場合は1件あたり360円の削減になります。ただし3辺合計60cm以内・2kg以内で、ポストに投函できることが条件です。
2026年10月1日以降、郵便局の窓口でクリックポストを差し出せますか?
できません。改定後の差し出し方法は郵便ポストへの投函のみとなり、郵便局窓口での差し出しは廃止されます。窓口へ持ち込んでいた方は、9月30日までに運用の見直しが必要です。
まとめ
- クリックポストは2026年10月1日から240円(185円から55円の値上げ)。月100件なら年間66,000円の増加
- 「厚さ制限撤廃」は単純な緩和ではない。3辺合計60cmの新しい枠が入り、現行の上限サイズ(34+25+3=62cm)は改定後アウト
- 恩恵を受けるのは底面が小さめの厚い荷物。レターパックプラス600円から240円へ移せれば1件360円の削減
- 窓口差し出しは廃止。ポスト投函のみになるため、厚物は投函口に入るかの確認が必須
- 改定後もゆうパケット(一律360円)より安く、クリックポストが最安である点は変わらない
- 全体像はクリックポスト完全ガイド、他の発送方法との比較は送料・サイズ早見表へ