せどり

店舗せどり完全ガイド|仕入れ判断の手順とAmazon出品までの流れ

店舗せどりは、実店舗で仕入れた商品をAmazonなどで販売する手法です。やること自体は シンプルですが、実際に利益を出せるかどうかは、店頭でバーコードを読み取ったあとの 数十秒で何を見て判断するかにかかっています。

この記事では、店舗せどりの準備から仕入れ判断の基準、Amazonへの出品までの流れを 順番に解説します。ネットで仕入れる電脳せどりとの比較については、 電脳せどりと店舗せどりの違いにまとめています。

本せどりなら、ISBNで本を特定し、中古の送料込み価格と状態を比較してから、 仕入値や販売にかかる費用を差し引くのが基本です。以下では店頭で迷いやすい点も具体例で説明します。

店舗せどりを始めるのに必要なもの

必要なものは大きく3つです。

  • Amazonの出品用アカウント
  • バーコードを読み取れるスマートフォンのリサーチアプリ
  • 仕入れ資金

大口出品と小口出品の違い

Amazonの出品用アカウントには大口出品と小口出品の2種類があります。大口出品は月額の 固定費がかかるかわりに商品ごとの成約料がかからず、小口出品は月額費用がかからないかわりに 1商品売れるごとに成約料がかかります。

見落とされがちですが、両者の違いは費用だけではありません。外部のリサーチアプリが Amazonの価格データを取得するために使う公式のAPIは、大口出品のアカウントでのみ 利用できます。仕入れ点数を増やしていくつもりなら、費用の面でも機能の面でも、 はじめから大口出品を選んでおくほうが無難です。

店舗での基本の流れ

店頭での作業は、次の流れの繰り返しになります。

  1. 値札を見て、仕入れ候補になりそうな価格かどうかを判断する
  2. 商品のバーコードをスキャンする
  3. Amazonでの相場・売れ行き・出品者数を確認する
  4. 手数料を差し引いた実質利益を計算する
  5. 仕入れるかどうかを決める

このうち3と4に時間がかかると、店舗を回れる数そのものが減ります。1商品あたりにかけられる 時間は長くても1分程度なので、判断に必要な情報がすぐ出そろうかどうかが効率を大きく左右します。

JAN・ISBNからAmazon相場を調べる方法

商品のバーコードを読み取り、検索結果を照合する

  1. リサーチアプリで商品のJANコードを読み取ります。本はISBN用のバーコードを使います。
  2. 表示された商品名・型番・容量・入り数を現物と照合します。本なら書名・巻数・版も確認します。
  3. Amazonの商品ページを確認し、単品とセット、別サイズなどを取り違えていないか確かめます。
  4. 同一商品と確認できたら、新品・中古それぞれの価格一覧を見ます。

書籍JANコードが2段ある場合、上段がISBN、下段が分類と本体価格の情報です。 仕入れ店が貼った管理用バーコードと、出版社が付けたバーコードも区別してください。 コードの構成はGS1 Japanの書籍JANコード解説で確認できます。

バーコードが読めない・商品が見つからないとき

汚れや反射で読み取れない場合は、明るさや角度を変え、印字された数字を確認します。 セラーレンズには、ISBN・JANの文字を読み取るOCR機能があります。 認識結果が違っていないか、元の数字と照合してください。

本ならAmazonの検索欄にISBNを入力して探す方法もあります。ISBNが分からない場合は、 書名・著者・出版社で候補を絞ります。 Amazon公式の本の検索方法も参考になります。 検索に出ない場合は、似た表紙の商品で代用せず、版や商品登録の有無を確認します。

本せどりのリサーチ方法:仕入れる前の5項目

本は同じタイトルでも、版や状態によって比較すべき出品が変わります。次の順番で確認します。

確認する項目店頭で見るポイント
ISBN・版・巻数検索結果と現物が一致するか。改訂版やセット商品と混同していないか
本の状態書き込み、破れ、水濡れ、カバーの有無を確認する
付属品CD・別冊・解答冊子などがそろっているか。コード付き商品は利用条件も確認する
中古の相場と推移自分が販売する状態に近い出品を比較し、一時的な高値だけを基準にしない
出品可否と費用自分のアカウントで出品できるか、手数料・梱包・発送費を引いて判断する

例えば、書き込みのある中古本を「付属品完備・書き込みなし」の価格で計算すると、 利益を大きく見積もってしまいます。ISBNの一致は商品特定の出発点であり、状態の一致を意味しません。 読み取りの速さだけでなく、状態確認までを毎回同じ順番で行うことが大切です。

新品・中古の価格一覧で仕入れを判断する方法

新品と中古を分け、自分が販売できるコンディションに近い出品を送料込みで比較します。 次の表は比較方法を示す架空の例で、実際の相場ではありません。

出品商品価格購入者が払う送料合計比較時の注意
新品2,000円0円2,000円中古本の売値として使わない
中古A:書き込みあり800円350円1,150円商品価格だけでは最安に見える
中古B:書き込みなし1,100円0円1,100円送料込みではAより安い

この例ではBの総額が低くなります。ただし配送方法・到着予定日・付属品も異なり得るため、 総額だけで販売価格を決めないでください。また、出品価格は実際に売れた価格ではありません。 価格とランキングの推移も見て、その価格帯を仕入れ判断に使えるか検討します。

仮に送料込み1,100円で販売し、仕入れ300円、販売関連手数料の見積もり250円、 発送・梱包250円なら、差額は 1,100 − 300 − 250 − 250 = 300円です。 この手数料は説明用の仮定で、Amazonの料率を示すものではありません。 交通費・保管費・返品などを含めた最終利益は別途確認します。税込みの仕入値を使った場合は、 同じ消費税を費用として重複して引かないようにします。

仕入れ判断で見るべき4つの指標

1. 相場は送料込みで比較する

まず確認するのは、その商品がAmazonでいくらで売られているかです。ここで注意したいのが、 出品されている価格をそのまま比べても意味がないという点です。

Amazonでは出品者ごとに送料の設定が異なるため、商品価格が安く見えても送料を加えると 高くなることがあります。購入者が実際に支払う金額は送料込みの総額なので、 比較すべきなのも送料込みの価格です。自分が出品するときに狙うべき価格帯も、 この総額を基準に考えます。

2. 売れ行きはランキングの推移で見る

次に確認するのが、その商品が実際に売れているかどうかです。相場が高くても、 まったく売れない商品を仕入れれば在庫を抱えるだけになります。

売れ行きの目安になるのがカテゴリー内のランキングですが、順位の絶対値だけで 判断するのは危険です。カテゴリーによって出品点数の母数がまったく違うため、 同じ順位でも意味が変わってくるからです。母数の大きいカテゴリーでの10万位と、 母数の小さいカテゴリーでの10万位は、売れ行きとしてはまるで別物です。

そこで見たいのがランキングの推移です。ただし、順位は他の商品の動きにも左右されるため、 上下動の数を販売個数として数えることはできません。 Amazon公式のランキング解説でも、 本の利用実績を正確に追跡する用途には適さないと説明しています。 価格や出品者数の推移と合わせ、販売状況を検討するための参考情報として使います。

3. 出品者数は「これから」の価格競争を示す

出品者数は、今の相場ではなく、これから相場がどう動くかを見るための指標です。

出品者が少ない商品は価格が安定しやすい一方、出品者が急に増えている商品は、 自分が出品する頃には値下げ競争が始まっている可能性があります。仕入れてから 売れるまでには時間があるため、今の価格ではなく、売るときの価格で利益が出るかを 考える必要があります。出品者数の推移が見られるなら、あわせて確認しておきたいところです。

なお、ここで挙げた価格・ランキング・出品者数の推移を実際にどう読み分けるかは、 価格・ランキング推移の読み方で詳しく解説しています。

4. 実質利益は手数料を引いたあとの金額

最後が、実際に手元に残る金額です。ここを見誤ると、売れているのに利益が出ない状態になります。

仕入値と販売価格の差額は、利益ではありません。そこから各種の手数料を差し引いた金額が 実質的な利益です。

Amazonの手数料の仕組み

差し引く必要があるものを整理します。

費目内容
販売手数料販売価格に対してカテゴリーごとの料率でかかる
カテゴリー成約料本・CD・DVDなどのメディア系カテゴリーで、1点ごとにかかる
FBA配送代行手数料FBAを利用する場合、商品のサイズ・重量に応じてかかる
在庫保管手数料FBAを利用する場合、保管する容積と期間に応じてかかる
送料自己発送の場合に実際にかかる配送料
梱包費・交通費梱包資材や仕入れにかかる費用

料率やその内訳はカテゴリーごとに異なり、改定されることもあります。最新の料率は必ず Amazonの公式ページで確認してください(Amazon出品サービスの料金体系)。

計算そのものは難しくありませんが、店頭で1商品ごとに電卓を叩いていると時間がかかり、 入力ミスも起きます。ここは仕組みで解決したい部分です。

仕入れる前に出品できるかを確認する

見落としやすいのが出品制限です。

Amazonでは、カテゴリーやブランド、コンディションによって、あらかじめ出品の許可を 得ておく必要がある商品があります。許可がない状態で仕入れてしまうと、 出品できないまま在庫だけが残ります。特に新品での出品には制限が設けられている ケースが多く、中古なら出品できるが新品は不可、という商品も珍しくありません。

制限の有無はアカウントによっても変わるため、一般的な情報ではなく、 自分のアカウントでその商品を出品できるかどうかを店頭で確認するのが確実です。

仕入れたあとの出品作業

仕入れたら、Amazonへ出品します。

コンディションと説明文

中古品を扱う場合、コンディションの設定が売れ行きと評価の両方に影響します。 Amazonのコンディションは、ほぼ新品・非常に良い・良い・可に分かれており、 それぞれに応じた説明文を添えます。

説明文は毎回ゼロから書くのではなく、コンディションごとの定型文を用意しておき、 商品固有の状態だけを追記する運用にすると、時間を節約しつつ記載漏れも防げます。

FBAと自己発送

FBAは保管から配送までAmazonに任せる方式、自己発送は自分で保管・発送する方式です。 FBAは手数料がかかるかわりに配送を任せられ、自己発送は手数料を抑えられるかわりに 発送作業が発生します。

自己発送を選ぶ場合、発送作業そのものが件数に比例して増えていきます。 小型の商品が中心なら、Amazon自己発送を効率化する5つの方法も あわせて参考にしてください。

店舗せどりでやりがちな失敗

  • 仕入値と販売価格の差額だけを見てしまう: 手数料を引くと赤字になっていることがあります
  • 今の相場だけで判断してしまう: 売るときの相場は変わります。出品者数の動きを見ましょう
  • ランキングの数字だけを信じてしまう: カテゴリーの母数と推移をあわせて見る必要があります
  • 出品できるかを確認せずに仕入れてしまう: 出品制限に気づかず在庫を抱えることになります
  • 送料を計算に入れ忘れる: 自己発送では送料が利益を大きく削ります

いずれも、店頭での確認項目を決めておけば防げるものです。

判断に必要な情報を1画面にまとめる

ここまで見てきたとおり、店舗せどりの仕入れ判断には、相場・売れ行き・出品者数・実質利益と、 複数の情報を突き合わせる作業が必要です。これを画面を切り替えながら1件ずつ確認していると、 1商品あたりの時間が延び、回れる店舗数が減ります。

App Storeで配信中のセラーレンズは、この確認作業を1画面にまとめることを目的にした iPhoneアプリです。バーコードをスキャンすると、商品情報・出品者ごとの送料込み価格の一覧・ 価格とランキングの推移グラフ・出品者数の推移が同じ画面に並び、販売手数料や消費税を 差し引いた実質利益も自動で計算されます。出品制限の警告表示や、仕入れリストからの 一括出品にも対応しています。

現在はApp Storeからダウンロードして利用できます。

よくある質問

本せどりでは、2段あるバーコードのどちらを読み取りますか?

書籍JANコードの上段にあるISBN用バーコードを読み取ります。下段は分類と本体価格の情報です。 検索後はISBNだけでなく、書名・巻数・版・付属品も手元の本と照合してください。

中古本の仕入れ判断に、新品の価格を使ってもよいですか?

新品の価格は参考にとどめ、販売する中古本と状態・付属品・配送条件が近い出品の 送料込み価格で比較します。表示価格は成約価格ではないため、価格とランキングの推移も確認します。

店舗せどりを始めるのに、最低限そろえるものは何ですか?

Amazonの出品用アカウント、バーコードを読み取れるスマートフォンのリサーチアプリ、 そして仕入れ資金の3つです。出品用アカウントには大口出品と小口出品があり、 大口出品は月額の固定費がかかるかわりに、商品ごとの成約料がかからず、外部の リサーチアプリがAmazonの価格データを取得するための公式なAPIも利用できます。 仕入れ点数が増える見込みがあるなら、はじめから大口出品を選ぶほうが結果的に 安く済むことが多いです。

バーコードをスキャンしたあと、何を見て仕入れるかどうかを判断すればよいですか?

相場・売れ行き・出品者数・実質利益の4点です。相場は出品者ごとの価格を送料込みで 比較し、売れ行きはランキングの推移で判断します。出品者数は今後の価格競争の 起きやすさを示します。そして最も重要なのが実質利益で、販売価格から仕入値・手数料・ 送料をすべて差し引いた、最終的に手元に残る金額です。この4つのうちどれか1つでも 欠けると判断を誤ります。

ランキングが何位以下なら仕入れてよい、という基準はありますか?

カテゴリーによって出品点数の母数が大きく異なるため、全カテゴリー共通で使える 絶対的な基準はありません。同じ順位でも、母数の大きいカテゴリーと小さいカテゴリーでは 売れ行きの意味がまったく変わります。順位の絶対値だけで判断せず、同じカテゴリーの 他の商品と比べたうえで、ランキングの推移を見て判断するほうが確実です。

利益計算では何を差し引く必要がありますか?

販売手数料、メディア系カテゴリーであればカテゴリー成約料、FBAを利用する場合は 配送代行手数料と在庫保管手数料、自己発送なら実際にかかる送料、そして梱包費や 交通費です。仕入値と販売価格の差額だけを見ていると、手数料を引いたあとで 赤字になっていることがあります。手数料の料率はカテゴリーごとに異なり改定もされるため、 必ずAmazonの公式ページで最新の料率を確認してください。

仕入れたのに出品できない、ということはありますか?

あります。カテゴリーやブランド、コンディションによっては、あらかじめAmazonから 出品の許可を得ておく必要があり、許可がないまま仕入れると在庫を抱えることになります。 特に新品での出品は制限が設けられている場合が多いため、店頭で仕入れを決める前に、 自分のアカウントでその商品を出品できるかどうかを確認しておくことが重要です。

まとめ

店舗せどりの成否は、店頭での数十秒の判断に集約されます。見るべきは、送料込みの相場、 ランキングの推移で見た売れ行き、これからの競争を示す出品者数、そして手数料を 差し引いた実質利益の4点です。

そのうえで、仕入れる前に自分のアカウントで出品できるかを確認しておけば、 在庫を抱える失敗の多くは避けられます。判断項目をあらかじめ決めておき、 確認にかかる時間を短くしていくことが、回れる店舗数と利益の両方を増やすことに つながります。

セラーレンズも、あわせてチェック

店舗でスキャンして即判断。Amazonセラーの仕入れリサーチアプリ(App Storeで配信中)